Claude Codeを自分のVPSで動かしたい。まず決まるのは「どのプランを買うか」です。
各社のページを調べたら、全社が「4GB以上」と書いていました。 一方、Anthropicの公式要件も4GB以上です。
では2GBでは動かないのか。2GBのVPSに手で入れて、動かしました。最大268MBでした。
結論
| 結果 | |
|---|---|
| 各社の要件 | 4GB以上(2GB以下は非対応と明記する社もある) |
| 2GBでの実測 | 最大268MB / ファイル作成もコード実行も成功 |
| Node.js | 不要(ネイティブインストーラ) |
| ディスク | +206MB |
| インストール時間 | 6分46秒 |
| アカウント | 有料プラン必須(無料のClaude.aiでは使えない) |
ただし**「4GBは要らない」とは書きません。** 理由は最後に書きます。
対応している4社と、その必要メモリ
Claude Codeのテンプレート/アプリイメージを公式に出しているのは、確認できた範囲でこの4社です。
| 提供元 | 形式 | 公表している必要メモリ |
|---|---|---|
| XServer VPS | アプリイメージ | 4GB以上。2GB以下のプランでは利用不可 |
| シンVPS | アプリイメージ | 4GB以上。2GB以下のプランでは利用不可 |
| ConoHa VPS | スタートアップスクリプト | 最小3GB、推奨4GB以上 |
| KAGOYA CLOUD VPS | テンプレート | 記載を確認できず |
XServer VPSとシンVPSは、2GB以下のプランでは選択肢に出てきません。 「安いプランを買ってから気づく」ことになります。
Anthropicの公式ドキュメントも同じです。
Hardware: 4 GB+ RAM, x64 or ARM64 processor
4社と公式で、数字が一致しています。
ConoHaのスクリプトが入れるもの
ConoHaのドキュメントには、中身まで書いてあります。
| ソフト | バージョン |
|---|---|
| Claude Code | 最新 |
| Node.js | 22 |
| ripgrep | 13.0.0 |
| UFW | 最新 |
| Fail2ban | 最新 |
対応OSは Ubuntu 24.04 LTS のみ。
UFWとFail2banまで入れてくれるのは親切です。 手で入れる場合、この2つは自分で用意することになります。
さくらのVPSには、Claude Codeのスクリプトがありません
さくらのVPSのスタートアップスクリプト一覧を確認しました。用意されているのはこれです。
AI : Open WebUI + さくらのAI Engine / Dify + さくらのAI Engine / n8n
開発 : code-server
ゲーム : Minecraft(Java版 / 統合版)/ Factorio
その他 : Mastodon / Mailserver / Let's Encrypt / BackupPC ほか
AI系は3つありますが、Claude Codeは入っていません。(2026年9月8日時点)
なので、さくらのVPSで使うなら手動インストール一択です。以下はその手順です。
測定条件
- サーバー:さくらのVPS 2Gプラン / Ubuntu 24.04 LTS
- メモリ:合計1,966MB(公式要件の半分以下)
- 同居:別の常時稼働アプリと静的サイト1本が動いている実運用サーバー
- Claude Code:2.1.263
- 開始時の空きメモリ:1,337MB
Node.jsは要りません
まず、入れる前のサーバーの状態です。
node -v # → node なし
npm -v # → npm なし
Node.jsもnpmも入っていません。 この状態から、公式のネイティブインストーラで入ります。
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
✔ Claude Code successfully installed!
Version: 2.1.263
Location: ~/.local/bin/claude
Node.jsなしで成功しました。
公式ドキュメントにも根拠があります。npm経由で入れた場合でも、
The installed
claudebinary does not itself invoke Node.
npmはネイティブバイナリを取ってくるだけで、実行時にNode.jsは使いません。 npm経由を選ぶ場合のみ、Node.js 22以降が必要です(v2.1.198以降)。
ConoHaのスクリプトがNode.js 22を入れるのは、npm経由の方式だからです。 ネイティブインストーラなら不要です。
かかった時間とディスク
| 値 | |
|---|---|
| 所要時間 | 6分46秒 |
ディスク増(df) | +206MB |
du -sh ~/.local/share/claude | 206M |
df と du が一致しています。
206MBは軽い。 比較するとよく分かります。
| ディスク | |
|---|---|
| Claude Code | 206MB |
| Ollama本体 | 2,160MB |
| n8n | 2,470MB |
| Dify(16コンテナ) | 10,600MB |
Ollamaの10分の1以下です。モデルを持たないぶん当然ではありますが、置き場所の心配はまず要りません。
6分46秒かかった理由は分かりません。 206MBに7分は遅すぎます。同じサーバーからGitHubへは11.3MB/s出ていたので、計算上は20秒で終わるはずです。原因は特定していません。 回線かCDNか、その時間帯だけの問題か、確証がありません。
インストール直後、claude は使えません
ここが最初の落とし穴です。
⚠ Setup notes:
● Native installation exists but ~/.local/bin is not in your PATH.
公式の手順どおりに入れても、コマンドが通りません。 もう1行必要です。
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
通ったか確認します。
which claude # → ~/.local/bin/claude
claude doctor
claude doctor は認証前でも動く診断コマンドです。ここで確認できたこと。
Search: OK (bundled)— ripgrepは同梱。別途インストール不要Auto-updates: enabled— ネイティブ版は自動更新される
事業用サーバーに入れるなら、ユーザーを分けてください
ここがいちばん大事です。
Claude Codeはファイルを読み書きし、コマンドを実行します。 他のシステムが動いているサーバーにそのまま入れると、そのファイルにも手が届きます。
専用ユーザーを作って、その中だけで動かします。
sudo useradd -m -s /bin/bash ccbox # sudo権限は与えない
sudo -iu ccbox
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
作ったら、本当に見えないことを確認します。
sudo -u ccbox ls /home/ubuntu
# → ls: cannot open directory '/home/ubuntu': Permission denied
Ubuntu 24.04では、ホームディレクトリの既定が drwxr-x---(750) です。別ユーザーは最初から読めません。 権限を変える必要はありませんでしたが、確認は必ずしてください。
ls -ld /home/*
drwxr-xr-x(755)になっていたら、chmod 750 が必要です。
この隔離には、もう1つ効果があります。 後述の --permission-mode bypassPermissions(承認をすべて飛ばす設定)を試すとき、被害範囲がこのユーザーの中に限られます。
認証は、ブラウザのないサーバーでも通ります
claude auth login
Opening browser to sign in…
If the browser didn't open, visit: https://claude.com/cai/oauth/authorize?...
Paste code here if prompted >
表示されたURLを手元のブラウザにコピーして開き、承認するだけです。 サーバー側にブラウザは要りません。
注意点が1つ。 sudo -iu ccbox はパスワードを聞いてきます。複数行をまとめて貼ると、2行目がパスワード入力に飲み込まれます。 1行ずつ実行してください。
有料プランが必要です
公式ドキュメントに明記があります。
Claude Code requires a Pro, Max, Team, Enterprise, or Console account. The free Claude.ai plan does not include Claude Code access.
無料のClaude.aiアカウントでは使えません。 VPSを契約してから気づくと二度手間です。
2GBで動くのか
本題です。公式要件は4GB。このサーバーは1,966MB。
単純な質問
claude -p "1+1は?数字だけ答えてください。"
2
real 0m3.044s
| 値 | |
|---|---|
| 所要時間 | 3.04秒 |
| claudeプロセスの最大メモリ | 235.8MB |
ファイルを作って実行させる
これが本来の使い方です。
claude -p "hello.py を作って、1から10までの合計を出力するコードを書き、実行して結果を見せてください。" \
--permission-mode bypassPermissions
`python3 hello.py` の出力:
1から10までの合計: 55
エラーなし、終了ステータス 0 です。
| 値 | |
|---|---|
| 所要時間 | 11.2秒 |
| 最大メモリ | 268.1MB |
| 実行後の空き | 1,364MB |
ファイル作成もコード実行も通りました。 1,966MBのサーバーで、268MBです。
--permission-mode の落とし穴
上のコマンドで bypassPermissions を使ったのには理由があります。
最初は acceptEdits で走らせました。 結果がこれです。
`hello.py` を作成しました。
実行しようとしましたが、`python3 hello.py` の実行に承認が必要と表示されて止まっています。
ファイルは作られましたが、そこで止まりました。
| モード | ファイル編集 | コマンド実行 |
|---|---|---|
acceptEdits | 通る | 止まる |
bypassPermissions | 通る | 通る |
-p(非対話モード)で最後まで走らせたいなら、acceptEdits では足りません。
ただし bypassPermissions は承認を全部飛ばします。 実運用のサーバーで安易に使うものではありません。専用ユーザーに隔離してあるからこそ試せる設定です。
ついでに踏んだ罠
/tmp に記録ファイルを書こうとして、こうなりました。
-bash: line 3: /tmp/cc-rss2.txt: Permission denied
別のユーザーで同じパスに書いた残骸があると、権限で弾かれます。 ユーザーを分けて作業するなら、一時ファイルは各ユーザーのホームに置いてください。
料金は「VPS代 + Claudeのプラン代」です
見落としやすい点です。VPSを契約しただけでは動きません。
VPS側の目安として、KAGOYA CLOUD VPSの料金表を挙げます(2026年9月8日時点の公表値)。
| メモリ | CPU | SSD | 日額 | 月額上限 |
|---|---|---|---|---|
| 1GB | 1コア | 100GB | 20円 | 550円 |
| 2GB | 2コア | 200GB | 28円 | 770円 |
| 3GB | 3コア | 400GB | 52円 | 1,430円 |
| 4GB | 4コア | 600GB | 63円 | 1,760円 |
| 8GB | 6コア | 800GB | 122円 | 3,410円 |
公式要件の4GBを満たす最小構成で、月1,760円。 ここにClaudeの有料プラン代が乗ります。
結局、何GBを買えばいいのか
私は「4GBで足りる」とも「2GBで十分」とも書きません。 測ったのは軽い作業だけだからです。
分かっていることを、そのまま並べます。
- 公式と各社は4GB以上と言っている。 数字は一致している
- XServer VPSとシンVPSでは、2GB以下だとアプリイメージが選べない(手動インストールの可否とは別の話です)
- 2GBのVPSに手で入れたら、最大268MBで動いた。 ファイル作成もコード実行も成功した
- 測ったのは、10行程度のコードを書いて実行させる作業だけです
大きなリポジトリを読ませたら、どこまで伸びるかは測っていません。 4GBという要件は、おそらくそちらを想定した数字です。
判断の材料としてはこう考えています。
| 用途 | 目安 |
|---|---|
| 試してみたい / 小さなスクリプト | 2GBでも動いた(ただし各社サポート外) |
| 実際のプロジェクトで常用する | 公式どおり4GB以上 |
迷ったら4GBです。 月1,760円の差で、公式要件を満たせます。
まとめ
- テンプレートを出しているのは4社(XServer VPS / シンVPS / ConoHa VPS / KAGOYA CLOUD VPS)。さくらのVPSにはない
- 全社と公式が「4GB以上」で一致。 XServer VPSとシンVPSは2GB以下だとイメージが選べない
- 2GBのVPSに手で入れたら、最大268MBで動いた。 ファイル作成もコード実行も成功
- Node.jsは不要。 ネイティブインストーラで入る。npm経由のみNode.js 22以降が必要
- ディスク206MB / インストール6分46秒
- インストール直後は
claudeが使えない。 PATHを1行追加する - 有料プラン必須。 無料のClaude.aiでは使えない
- 他のシステムが動くサーバーなら、専用ユーザーに隔離する。 Ubuntu 24.04なら既定の750で最初から守られているが、確認はすること
-pで最後まで走らせるならacceptEditsでは止まる
「何GB必要か」に答えているページが見当たらなかったので、測って書きました。公式の4GBという数字と、実際に動いた268MBは、どちらも本当です。 何をやらせるかで変わります。
AIツール全般の必要メモリは、実測から積み上げた選び方にまとめています。